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『受けて立つ。かかってこい』高橋礼華(26)松友美佐紀(24)

『受けて立つ。かかってこい』

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世界ランキング1位の優勝候補が五輪で順当に勝ち抜くことは難しい。かつては「勝負弱い」と言われてきた高橋、松友組は意識改革を果たして金メダルをつかみ取った。

 最終第3ゲームの中盤の競り合い。相手ペアのネットインの得点が続く。松友は「この接戦でネットギリギリを打てる相手は純粋にすごい。やっていて楽しい」と目を輝かせた。「相手に流れがいきそうで負けたくなかった。何をしても拾って打ってやろうと思った」と高橋。受け止め方は異なっていたが、目の前の1点に集中する気持ちは同じだから、16-19からの5連続得点で逆転勝ちした。

 「タカマツ」を世界進出させる戦略があった。2012年ロンドン五輪の出場枠を決める国際大会のレースが終わった同年春、高橋、松友組は日本勢4番手の20位前後だった。所属の日本ユニシスは、五輪参加ペアが本番の調整に入る時期に、国際大会を回ってポイントを稼がせた。五輪後に引退する選手も出て、同年11月には各大会でシードを得られる世界ランク8位に入った。

 しかし、ランク上昇を急いだ分、気持ちがついていかない。14年10月、日本勢初の世界1位になったが、実績不足で、2人は「恥ずかしい」とこぼした。国際大会準優勝でも「負けた」と表現されることに驚いた。突然、注目が集まり、大きな大会ほど勝たなければいけないと気負い、力を出すことができない。昨年8月の世界選手権は第1シードで臨み、3回戦で敗れた。

 悩んでいるときに、テニスの女子ダブルスで世界ランキング1位になった杉山愛さんと出会った。杉山さんから「『受けて立つ。かかってこい』と前向きに考えた方がいいよ」と助言をもらった。気持ちが吹っ切れた2人は「自分たちがやるべきことは変わらない。自分たちの力を出せれば後悔はない」と考えるようになった。

 昨年末に世界4位まで落ちた後、今年3月の全英オープン優勝などで五輪前の今年5月に再び1位に戻った。もう重圧を感じることはなかった。「毎年、負ける中で、いろいろなことを勉強できた。結果を出せなかった経験も大きい」と松友。これまで4年の歩みが頂点につながった。

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